138:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/26(火) 22:37:00.36 ID:Bg4X09fI0
「そんな時に、このカクテルを私は知ったのよ。工業的な技術によらない、文化的革新」
「組み合わせ方によって、無限に広がっていく味・香り・風味!」
「酒の行きつく先、それこそがこのカクテルなのよ!」
ぱちぱちぱち。
思わず拍手してしまっていた。
「ちなみに、この世界にカクテルバーはここしかないわ」
さらっと新情報。
「じゃあ、ここが酒の文化的最前線というわけか」
「いえ、実はそういうわけではありません」
マスターが、新たにグラス注がれたスクリュードライバーを俺の下へと静かに寄越す。
俺は、魔王によく似た男をじっと見つめる。奴は、にこにことするだけで口を開く様子がない。
まるで、俺からの催促を待っているようだ。
「……遊び人、そろそろこの店とこの男のことを教えてくれ」
誰がお前に催促何かするものか。
「では、マスター。ご指名ですので」
遊び人がおどけて畏まると同時にマスターがしたり顔を寄越してきた。
ぶん殴ってやろうか。
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