11:名無しNIPPER[saga sage]
2018/05/09(水) 10:27:28.97 ID:NTp9xhz30
看護士「…………」
女の子「……またその目。カワイソウナコ」
女の子「同情なんか要るかっ!」
看護士「……ごめんなさい……」
女の子「そうやって……もがっ」
男「ちっと声を小さくしろ。他の人に迷惑だ」
女の子「ん……ぷぁっ。アンタね、気安く触んないでよ」
男「お前が同情するなっつたろ?」
女の子「遠慮くらいはしなさい」
男「無作法ですまんな。話を戻すが、脱走はやめとけ」
女の子「…………」
男「そんな顔すんな。つっても今は、だ。その足と手じゃ無理だろうが」
女の子「そんなの、やってみなけりゃ分かんないじゃない」
男「いいか。いずれ待ってりゃ義足やらのリハビリが入る。そしたらそれパクってからでも遅くはねえだろうが」
看護士「ちょっと!」
女の子「…………」
男「なんだったらその時に脱走の手助けくらいしてやんよ。俺は、約束を必ず守る質なんだ」
看護士「あのね、そんな事になったら私が怒られるじゃないですか。せめて私が居ない所で悪だくみしてください」
男「……なんかどっかズレてねえか?」
女の子「…………」
男「なんでそんなに脱走したいか分からんが、今はやめとけって、な」
看護士「あの、ね。その……もしかしてご両親の事、探しに行きたいのかな……?」
男「両親?」
看護士「あ……えっと……行方不明になっているんですよ。その……」
女の子「……違うわよ」
看護士「じゃあ……」
女の子「復讐に決まってるでしょ」
看護士「…………」
女の子「あの爆撃に巻き込まれて生きてるなんて虫が良すぎる話、信じられるわけないでしょ」
男「MIA……か」
女の子「なにそれ」
男「ミッシング・イン・アクション。戦闘中行方不明ってヤツだ。生死が確認できないが存在も不明」
女の子「そう、そうね。つまり死体が確認できてないから行方不明ってヤツ。…………はっ」
看護士「…………」
女の子「だからね。私は奴らを、深海棲艦を、殺さないと気が済まないのよ」
男「……無理だ」
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