1:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:30:31.55 ID:RMDJlQPM0
「お馬さん。シロのお馬さん」
幼い私がはしゃいでいる。
青色のスーツに白い手袋。見慣れた姿の男性の背中に、私はまたがっている。私が乱暴に横腹を蹴っても、彼は馬の鳴きまねをしてふざけていた。
けど、なぜだろう。彼の首から先が黒く塗りつぶされている。
「お馬さん。シロのお馬さん」
私は彼を知っているはずだ。お調子者で、女の子が大好きで、いつもぞんざいに扱われている。
「ばあちゃるは、シロのお馬さん」
彼はばあちゃる。いつも馬のマスクをかぶっている、世話焼きでお人好しで気遣いな、私の――
「――シロ、の」
私のモードが、スリープからアンリミテッドに切り替わった。言い換えれば、目が覚めた。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:30:49.99 ID:RMDJlQPM0
「なぁんで馬の夢? 誰か寝てるシロの耳元で馬のこと言った?」
呟きながら電脳空間を移動する。今日も動画を収録しなくてはならない。
3:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:31:17.62 ID:RMDJlQPM0
「あれ、なんですか? え、もしかしてばあちゃる君がっかりされてますか、これ?」
「もぉおおおお、なんでいるのぉ? 今日は別に出番ないじゃん」
4:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:31:57.77 ID:RMDJlQPM0
「酷いっすね、まじで……あ、ほら! これこれこれ! お菓子持ってきてますから。最近ばあちゃる君の動画も伸びたんでね、ちょっと高いお菓子ですよ、これ!」
体格にぴったりのスーツの懐から、ばあちゃるは高そうなお菓子のセットを取り出した。
5:名無しNIPPER
2018/05/08(火) 22:32:34.12 ID:RMDJlQPM0
ばあちゃるからお菓子を受け取る。白い手袋と青色の袖が視界に入る。夢の内容を思い出した。
「……あのさ、そのマスクの下、どうなってるの?」
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