藤丸立香「あなたたち、どうせ死んでたんだから」
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 23:40:09.74 ID:099CA5/+O
「はっ、来てやったわよマスター。……ひどい顔ね」
「まあ、大変だったからね。それじゃあ、皆よろしく」
ジャンヌオルタに声をかけると、それぞれがなすべきことを成すべく方々に散っていく。
僅かに残った溶け落ちていない命を魔力に変えるために。
反抗などするべくもない。呼ばれる段階で、サーヴァントたちは立香のしようとしていることを理解し、了承しているのだから。
これは人理を救う旅。存在するだけで世界を害する存在を排除し、それすらも礎として人理を取り戻すのだ。
大量のサーヴァントを呼び出した為、すさまじい魔力負荷によって立香の体には気が狂うほどの激痛が走り続けていたが、それも立香にとっては嬉しいものだった。
痛みは生きている象徴だ。それがやっと理解できそうだった。
「マスター、次はどうする?何を殺してやろうか」
「皇帝を使おう。確か一番強いんだっけ、あれを使って──」
──ティアマトを呼ぼう。
その言葉に、ゴルゴーンは今度こそ止まった。
ティアマト、回帰の人類悪。生ある限り死の存在しない絶対存在。ゴルゴーンがかつて名乗ったもの。
存在は消えたがデータはある。霊基は観測と戦闘により記録されている。
この女は、もう善悪の領域を逸脱している。
ヒトを救うためならば、息絶え絶えの幼子であっても容赦なく殺すだろう。
彼女の善性の象徴はもういないのだから。
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