826:>>823の経験値+5はミスです ◆9OydVuNlLY[digital devil saga]
2019/03/03(日) 03:22:52.51 ID:0ZUpjTc/0
……
式典が始まるまでの時間に、ミカド城で話を聞き回った。
公開処刑。
事件の終息を周知し民を安心させるという名目で行われるそれには、通常はラグジュアリーズだけが参加を許される。
だが、今回だけは遠隔地に住むカジュアリティーズを含めた全ての民に参列義務が課されていた。
そのお触れは、昨日僕らが黒きサムライを連行してきてすぐに、国中に出されたそうだ。
先輩のサムライたちの中には修道院から"留守になった民の家々を家宅捜索し、本を全て押収せよ"という空き巣じみた任務を課せられた人たちがいるそうで、そもそも今回の任務でサムライの掟を破らせたこともあって、修道院の動きを不審に思う声も少なくないらしい。
……
時:公開処刑式典直前
場所:ミカド城 オベリスク広場
オベリスク広場には国中の民が集っている。
人だかりで埋め尽くされて、異様な熱気に包まれている。
ヨナタン「……やあ、来たね。間もなく式典が始まるそうだよ」
ワルター「捕まえたのはオレらサムライなのに、こうして野次馬と一緒の参列かよ……ったく」
ワルター「勲三等ミカド勲章の式典は寝てる間に終わっちまったし、セイオウボを倒したってのに気分が盛り上がらねえなぁ」
広場の中心、建国神話の文章と絵が彫り込まれたオベリスク。
その前に、黒きサムライが磔にされている。
人々の黒きサムライに対する罵声が辺りに響いている。
イザボー「悲しいことだけど、民の中には黒きサムライを支持する者があるらしいわ」
イザボーが人波をかき分けてこちらへやって来た。
イザボー「この式典で民の心を一つにするのが、修道院の考えなのでしょうね」
ギャビー「お集まりの皆々、静粛に……」
ギャビー「これより、魔法の言語で記した本によって皆々を惑わせた大罪人……」
ギャビー「黒きサムライの処刑を執り行います」
広場の中心、磔にされた黒きサムライからやや離れた位置に、
ギャビー殿とウーゴ殿がいる。
式典の進行を行うようだ。
ウーゴ「……えー、この国の民は我らが父、神の寵愛の下に在ります」
ウーゴ「さぁ、東のミカド国の皆さん」
ウーゴ「神の愛の下、この平穏が恒久なることを共に誓い、証明しましょう」
黒きサムライ「……この世にそのままの姿で現れる悪徳はない」
黒きサムライ「必ずそのうわべに、美徳のしるしをつけている……」
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