135: ◆9OydVuNlLY[saga]
2018/05/07(月) 20:29:36.69 ID:1t/1sIyf0
……
場所:外壁用仮設足場
ヨナタン「薄い金属の板を繋ぎ合わせ、細い柱で支えているのか」カンカンカン
ヨツバ「……柱もよく見ると同じパーツの集まりですね。これらは全て組み立て式なのでしょうか」カンカンカン
ケガレビトの里のことは全く知らないが、この金属の道はケガレビトの里からみてここまでしかないのか。
悪魔の存在から建国神話が実話に基づくのだとすると、かつてケガレビトが東のミカド国に攻め入った時に作った道なのだろう。
ガチャ
……
場所:第1展望台
扉を開くと、左右に分かれる広い通路に出た。
地面や壁は全て平らなコンクリートでできていて、大きなガラスの窓が左右に広がっている。
恐らく円状の通路で、ぐるりと見渡すことができるのだろう。
外の景色を見て、私たちはしばし言葉を失った。
天井(ミカド国にとっての地面だ)に塞がれて光の差さない地下には、
夜空の星のような小さな光が、数えきれないほど灯っていた。
イザボー「綺麗……」
一つ一つをよく見てみるとそれは路上に設置されたランタン(しかしどうも、火の明かりという風ではない)であったり、
建物の窓から漏れる部屋の明かりのようだった。
ワルター「これもケガレビトの魔法か……」
ヨナタン「我々の想像以上に、生活に魔法の異物が根付いているのだろうな」
……
時:しばらく後
悪魔を倒しながら通路を周っている途中、私たちが扉を開けた場所から見て真後ろの方に、
円の中心へ向かう通路が見えた。
その通路の周辺には人間の彫刻が数多く置かれている。
ヨナタン「すごく精巧だな。しかし、その……」
ワルター「気味が悪いぜ。どれもこれも、酷い顔してやがる」
イザボー「まるで、ありもしない恐怖や絶望が伝わってくるかのようだわ……」
通路の奥へ行くへつれ、彫刻は通路に占める密度を増していく。
それらは例外なく悲惨な表情に作られていた。
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