74:名無しNIPPER[saga]
2018/05/09(水) 00:02:14.19 ID:N1ymMDaN0
「確かにいきなり認知しろと言われたら戸惑うのも理解できます。
だからといってあなたに何の責任もないとは言わせませんよ。
あなたは子供たちがどんな境遇にあっているのかわかっていたはずですからねぇ。」
「言い掛かりだ!そんなこと俺にわかるわけないだろ!」
「そうでしょうか?昨日明くんはお金を貸してもらいにあなたの元を訪ねたそうですね。
明くんからお母さんが家を出ていったことを聞かされていますね。
それで気づけたはずですよ。
母親は家を出て行ってしまい残された子供たちは貧しい生活を送っていると…」
確かに父親は明からその事情を聞かされていた。
それは昨日知ったばかりではない。明はもう何度もこの父親の元を訪ねていた。
事情を知っていたのなら子供たちのために警察に通報するなり方法はあったはずだ。
だがこの男はそれを怠った。何故か?
「あなたにとっても子供が疎ましいと思ったからですね。」
「そんな…ことは…」
「…無いとハッキリ言えますか?
確かにけい子さんはあなたに子供の存在を隠した。
当時付き合っていたあなたにしてみればそれは十分裏切り行為だと思ったのでしょう。
ですが彼女のお腹には既にあなたの子が宿っていた。
それなのに責任も取らず逃げ出した。
改めてお聞きしますが今回の件であなた自身に何の非もないと断言できますか?」
けい子が子供の存在を隠していたのはこの男にしてみれば裏切り行為に等しい。
だがそれと茂が生まれたのは別問題で茂の件に関してはこの男にも責任がある。
だからこそ自らに非など無いとは断言出来るはずもなかった。
そんな戸惑うばかりの父親に亀山は諭すようにこう訴えた。
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