右京「誰も知らない?」
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65:名無しNIPPER[saga]
2018/05/06(日) 17:49:32.13 ID:xg10qRH10


「明くん、キミは自分たちが無戸籍児だと最初から知っていましたね。
思えばキミは最初からどこか様子がおかしかった。
最初に僕たちと遭遇した時にキミは逃げた。
あの時、キミはイジメから助けてもらえたはず。それなのに逃げたのは…
もしも警察に調べられたら自分たちが無戸籍児だと発覚してしまうのを恐れたため。
だからいくら生活が困窮しても周りの大人を頼ることが出来なかった。そうですね。」


「はい…昔から…おかしいと思っていました…」


明はこの12年間を振り返っていた。

生まれてからいつも部屋の中での生活を送ってきた。

たまに外を歩くと同世代の子供たちが学校に通う光景を目撃した。

どうして自分たちは学校へ行けないのか?どうして自分たちには父親がいないのか?

幼い頃、母親にそんな質問をしたことがあった。そして聞かされた。

理由は父親が不在のせいだ。そして母親は明にこう言い聞かせた。

いつの日か必ずお父さんを連れてくる。そして家族みんなで幸せになろう…

そう誓ってくれた。


「でも…お父さんなんていなかった…
本当はもう気づいていたんだ。お母さんは俺たちを捨てた。
二度と戻ってこないってわかってた。
それでもみんなを励ますために仕方なく…お母さんは帰ってくると言い続けたんだ…」


まるで自らの罪を懺悔するかの如く明は語った。

それから涙ぐむ明とそれに兄弟たちを別室に移動させて

右京は再度取調室に入り母親にこう告げてみせた。




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