右京「誰も知らない?」
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60:名無しNIPPER[saga]
2018/05/06(日) 17:42:39.64 ID:xg10qRH10


「実はDNA鑑定でもうひとつわかったことがあります。
それはあの子たちの父親がそれぞれ異なる人物だということです。
つまり明くんたち兄弟は異父兄弟だということ。
恐らくこれがあの子たち兄弟を隠さなければならない理由だったのですね。」


そう、明たち兄弟はそれぞれ父親が異なる人物に当たる。

だがどうして兄弟で父親が異なるのか?

それに先ほど母親は子供たちとの関係を欺いたのか?

そこには母親として、そして女としてのエゴが隠されていた。


「先日、あなたの部屋を訪ねてあることに気づきました。
あの部屋には本来あるべきものが置いていなかった。それは小学生のランドセル。
長男の明くんと長女の京子ちゃんは小学校の高学年に当たります。
本来なら二人は学校に通わなければならない年齢です。
ですが近隣の子供たちは誰もあの子たちのことを知らないと答えた。」


「つまりあの二人は学校に通っていない。
このことは母親のあなたも把握しているといることになる。
普通の家庭なら子供が学校に通わないなど異常な出来事です。
それにも関わらずあなたは今までそのことを咎めずにいた。」


「それに戸籍上あなたに子供がいないと記述を踏まえて結論を出すのなら…」


「明くん、京子ちゃん、茂くん、ゆきちゃん。
あなたがお腹を痛めて産んだこの四人の兄弟には戸籍がない。
つまりあの子たちは役所に出生届を提出されていない無戸籍児ということですね。」


無戸籍児、それがあの兄弟たちが不遇に扱われている原因だった。

本来なら子供が生まれた時点で役所に出生届を出してそこで生まれたことが証明される。

だが出生届を出されなければ世間は誰も子供の存在など知ることはない。

そう、子供を生んだ母親以外は…



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