31:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 15:23:47.22 ID:sPA3Iy4L0
「………お父さんはいない。僕たちにはお母さんだけだから…」
亀山の質問に明は俯きながらそう答えた。それだけで大体のことは察した。
彼ら兄弟には父親はいない。
最初からいないのかそれとも離婚してそうなったのかはさすがに聞くことはできない。
だが明の様子からして父親の存在になにか思うことがあるようだ。
「大丈夫だよ!お母さん言ってたから!」
「うん、今度新しい家族を連れてくるって言ってたんだ。
それで新しいお父さんと一緒に暮らせるかもしれないって!」
そんな明に代わって茂とゆきが答えてくれたが
実は母親だがいなくなる前にそんなことを言い残していたらしい。
新しい家族、それに新しい父親。
母親は本当にそんなものを用意することができるのか?
希望に満ちた目でそう語る子供たちを前にして亀山の心境は複雑だった。
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