24:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 11:25:38.12 ID:sPA3Iy4L0
「ダメ…それは出来ない…」
だがそんな時に長男の明が保護を拒否した。何故拒否をする?
既にあの家で生活を送ることができないことは明らかだ。
だが子供たちにはどうしてもあの家を離れられない理由があった。それは…
「お母さんが帰ってくるかもしれないし…」
それは母親の存在だ。
もしも母親が帰ってきた時、自分たちが家にいなければ必ず心配するはずだ。
だから子供たちは家を離れるわけにはいかなかった。
「なあ…気持ちはわかるよ…けどあの家には…」
あの家に帰ろうとする子供たちに亀山はなんとか説得を試みた。
だが子供たちも頑なだった。
これまで苦楽を共にしてきた母を置いてくことなど出来ない。
せめて母親が帰ってくるまで待ってほしいと頼み込んだ。
「お願いです。もう少ししたらお母さんが帰ってくるかも知れないから…」
きっと母親は帰ってくる。子供たちは健気にもそう信じていた。
その言葉を聞いて亀山は何とも言えない気分になった。
既に一ヶ月以上も家を留守にしている母親が
あと数日以内に帰ってくるという可能性は極めて低い。
だが子供たちは母親が帰ってくると信じきっている。
どんなに説得しようと子供たちの母親への想いは頑なだった。
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