白菊ほたる「もう雨あがりに虹が掛かることもないんでしょうか」
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37:名無しNIPPER[sage saga]
2018/05/01(火) 15:17:20.19 ID:47m1SMXJ0
 一番のサビが終わる頃には、なんとなく察しがついていました。
 この夢のような舞台は、きっと何事もなくお日さまが昇っていれば実現したものなんだって。

 日が昇らなくなったあの世界と、何事もなく当たり前の日常を送っているこの世界。
 本当にちょっとした選択肢の違いで分岐していっただけの、同じものなんじゃないでしょうか。

 例えば右か左のどっちの足から歩き出すか、だとか、今日のお昼は何を食べよう、だとか。
 あるいは、丸いものの上にビー玉を置いて、どっちに転がっていくか、とか。

 そのくらい些細な違い。
 ただちょっと運が悪くて、この『私』がいる世界の方がおかしくなってしまった。
 それだけのことなんじゃないでしょうか。

 なら、こっちの正しい世界に戻ってこれたことを喜ぶべきなんでしょう。
 でも私にはそれは出来ません。
 だって、私たちは『あの町』でライブをするために一生懸命準備したんだから。

 それに、ここに用意されている舞台は『私』のためのものじゃありません。
 きっとこの世界にもともといた、こっちの『私』が立つべき舞台なんです。

 戻らなきゃ。
 私はそう思いました。




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