垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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73:名無しNIPPER
2018/11/01(木) 23:29:04.48 ID:xIL+pzmJ0

「ハァ、大丈夫なのかよ、本当に……」

呟きながら誉望は機材がぎっしり詰まったアタッシュケースを持ち上げる。

機材といっても色々だが、今回の場合中に入っているのは主に彼の能力のサポートをする為の物だ。

別に無くとも能力は使えるが、そのままだと能力自体の汎用性が高すぎて起こす事象のイメージがボヤけてしまう事がある為、機材と自分の意識をリンクさせて主に思考を切り替える際のスイッチとして使うことが多い。

その他いくつかの使い慣れた『仕事道具』と共に、彼はキャリーバックの中から黒光りする拳銃を取り出した。

冷たい感触と重量感が生々しく手に伝わってくる。

「……まあ気休めだけど。無いよりはましか」

普段からあまり使わないせいか、マガジンに弾をこめる動作もどこかたどたどしくなってしまった。

学園都市は超能力の街。何かトラブルがあれば基本的に能力で対処する。

別に信条がある訳ではないが、すぐに武器を持ち出すのは武装無能力集団(スキルアウト)共を連想してしまって、どうにも誉望は好きになれなかった。

そもそも高位の能力者ならば、民間企業が作った携帯武器なんかより自分の能力を使った方が遥かに強いというのもある。

現に第二位垣根帝督は仕事の際もいつも手ぶらだ。

誉望はその事を少し考えたが、まああくまで予備の予備だから、と自分に言い聞かせ拳銃をジャケットの裏に隠す。

そもそも彼らが派遣された目的は調査と原因究明であり、街の制圧などではない。

学園都市としても見滝原との関係が悪化するのは防ぎたいだろうし、恐らく技術の漏洩阻止の意味もあるだろうが、指令書には極力武力行使は控えるようにと書かれてあった。

垣根個人の目論見にしたって、これを使うようなシチュエーションになればその時点でほぼほぼ失敗と言っていい。

「頼むからトラブルが起きませんように。こんなところで死ぬなんて真っ平ごめんだぞ」

街の外に出た以上、学園都市の後ろ楯にはあまり期待していない。

使わないに越したことはない物騒な機器類を身に纏い、最新科学に囲まれて育った誉望万化は胸の前で十字を切った。





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