垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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51:名無しNIPPER
2018/05/26(土) 01:34:17.95 ID:Rbgfgws80
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徳川幕府時代の江戸には"入り鉄砲に出女"という言葉があったそうだが、学園都市を出入りする人や物資も、最新のセキュリティによって厳重に管理されていた。

ただし、そこは科学の最先端学園都市。

外壁に面し、陸路最大の物資の運搬ルートである11学区でさえ、荷物の受け渡しは完全に自動化されており、目に見える人の影はまばらだった。

当然ゲートのセキュリティも機械化されており、空港の手荷物検査場のように職員が何人も突っ立っていたりはしない。

体内にナノデバイスを注射された垣根帝督と誉望万化は、その横の従業員用通用門から外に出た。

「それにしても凄い荷物の量っスね。まるで貨物列車みたいに途切れることなく入ってきますよ」

「そりゃ学園都市230万人に届ける訳だしな。トラックで積み降ろししてたんじゃ時間がかかりすぎて餓死者がそこら中に転がる羽目になるだろうよ」

そんな会話をしながら彼らは、門のすぐ前で待ち構えていたワンボックスカーに乗り込む。

窓には黒いスモークが施されている。

「そういえば、垣根さん。見滝原についてから一体どうやって調査する気っスか?」

「それについては考えてる。……それよかオマエ、ちゃんと"作業道具"は持って来てんだろうな?」

「ええ、そりゃもちろん」

誉望はスーツケースの中を開けて、垣根に見せる。

みたいだな、と垣根は呟き、

「頼んでたレポートは?」

「見滝原で起きた殺人事件、自殺、失踪事件なんかの情報っスよね。過去1年間のデータをここにまとめてあります」

誉望はタブレットのアプリを開いて垣根に手渡す。

彼はひとしきり眺めた後、なるほどな、と言って誉望に投げ返した。

ひとまず垣根の機嫌を損ねるような仕事ぶりでは無かったようで、誉望はホッと安心する。

それなりに長い付き合いだが、この超能力者の考えてる事はよく分からないと彼は思う。

何気ない会話の中で琴線に触れるのは人間関係ではよくある事だが、垣根の用な人物に対してそれは場合によっては死に直結する。

だから、世間話を振るにしても話題は慎重に選ばねばならないのだ。

彼にしてみればただ神経を磨り減らすだけだが、あからさまにずっと黙りこんでいるのも気を遣っているのがバレバレで印象が悪い。

幸い誉望が横目をやると、垣根はアイマスクをつけて昼寝をしていた。

見滝原がどうなろうが知ったことではないが、自分に火の粉が降りかかるのだけは勘弁して欲しい。

彼は切実にそう思った。




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