47:名無しNIPPER
2018/05/26(土) 01:30:08.19 ID:Rbgfgws80
☆
「これがソウルジェム。私たち魔法少女の力の源よ」
見滝原のマンションの一室。
巴マミは窮地を救った後輩2人を自宅へ招き入れると、懐から小さい宝石のような物を取り出した。
「うわあ、綺麗……」
それを見てさやかが感嘆の声を上げる。
マミは続ける。
「でもこのソウルジェム。ちょっと色が濁っていると思わない?」
「確かに、そうですね」
まどかはソウルジェムに目を近づけて頷いた。
キラキラと光ってはいるが、磨かれた宝石特有の透き通った光ではなく、どちらかと言うと如何わしい占い師が使う水晶玉のような、暗く怪しい輝きだ。
「さっき使い魔と戦ったでしょ? ああやって魔翌力を使うと、それに応じてソウルジェムが濁ってしまうの。この穢れが溜まると魔法少女として活動できなくなってしまうわ」
「え? じゃあどうするんですか? マミさん、このまま戦い続けてたらいつかはーー」
「大丈夫」
さやかの言葉を遮って、マミはポシェットから小さな髪飾りのような物を取り出した。
彼女はそれをソウルジェムに近づける。
「穢れが……吸いとられた?」
「マミさん、これは一体……」
「これがグリーフシードよ」
マミはニッコリと微笑んで言った。
「魔女がたまに落としていくアイテムで、魔法少女にとって魔女退治の対価みたいなものね。こうやってソウルジェムを綺麗に保つことで、私たちは能力を使う事ができるの」
へえ〜と2人は目を丸くして見る。
でも、とマミは少し声のトーンを落として言う。
「逆に言えばグリーフシードが手に入らないと魔法少女にとっては死活問題になるわ。だから、無茶して魔女を深追いしたり、場合によっては他の魔法少女と争いになったりして、命を落とす子もいるわ」
「……マミさんは、その……、怖くないんですか? いつもあんなのと戦ってるんですよね」
まどかが心配そうな顔をする。
そんな危険に常日頃から隣り合わせだなんて、彼女には考えられないのだろう。
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