123:名無しNIPPER[saga]
2019/05/29(水) 01:00:48.78 ID:fMCv71Lw0
「理解できなくてもとにかく自分の行動全てを受け入れろ、否定するなって事だろ。それっていくらなんでも都合が良すぎないか?」
彼がそう言うと少女はバツが悪そうに、
「言って理解してもらえるようなものではないからよ」
「それでもまずは言ってみない事にはーー」
とマミが続けようとしたが、少女は会話を無理やり終わらせるように踵を返す。
「これ以上用はないみたいだし、私は帰るわ。私の言葉をどう受け取るかは自由だけど、長生きしたければ人の忠告は聞くものよ。これはあなたたち五人全員に向けて言ってるから。それじゃ後はご自由に」
吐き捨てるようにそう言うと、少女の姿が一瞬にして誉望の目の前から消えた。
突然の事態に誉望は思わず目を見開く。
(空間移動『テレポート』!? 目標物なしで自分の体を移動させられるならそれだけで大能力者『LEVEL-4』認定されるクラスのはずだが。『外』の人間が能力を?)
誉望はチラリと垣根に目線を送る。
だが、
「何だあのクソ野郎は。終始上から目線で偉そうにしやがって。それともあれか? あれが噂の中二病とかいうやつか? この街の思春期の女はあんなのばっかりなのか?」
ブツブツと独りで文句を言いながら垣根は不機嫌そうに立っているだけだった。
次あったらーーとかおぞましい単語を並べているので鹿目まどかとかいう小柄な少女は怖がって完全に顔がひきつってしまっている。
(オイオイ、勘弁してくれよ)
それを見て思わず誉望は頭を抱えそうになった。
(初対面でそんな態度取ったら警戒して何も話してくれなくなりますよ。それともフレンドリー路線はやめて締め上げて無理やり吐かせる感じで行くんスか? 都市間の関係があるんだからあんまり手荒なことしたくないんスけど……)
これから先のことを考えると気分が沈みそうになる誉望。
だが垣根がリーダーである以上彼はその決定に従うしかない。
組織というのはそういうものなのだ。
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