垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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117:名無しNIPPER
2019/05/29(水) 00:48:45.50 ID:fMCv71Lw0

(コイツ、嵌めたのか……!? わざと俺に喋らせて、墓穴を掘らせる為に? でもそうなら最初から怪しまれてた事になる。それはおかしい。俺たちが連中を監視してた事が見滝原に漏れてるはずがない。ただのはったり? そもそも拘束されていたのも演技だったのか? それとも先行した垣根さんが余計な事喋った?)

彼は頭をフル回転させる。

可能性なら色々ありすぎるが、まずそれよりも優先すべき事がある。

「……沈黙は後ろめたい事がありますって言ってるのと同じよ」

「あ、いや何から説明すればいいか頭の中を整理してるだけだよ。ちょっとこっちにも事情があって」

(どうする? ごまかすか白状するか消すか)

ここまで問い詰められている以上一つ目はほぼ不可能で、二つめも組織に属している彼が独断で行うのはまずい。

最悪の場合、学園都市と見滝原の関係に亀裂が生じ、多大な損失が出ることになるだろう。

万が一そんな事になれば、当事者の誉望がどのような処分を受けるかは火を見るより明らかだ。

ならば、残された選択肢はあと一つ。

(……本当にやるしかないのか? どんな能力を持っているかも分からない相手に?)

誉望はごくりと唾を飲み込んだ。

彼は丸腰ではない。

手元のキャリーケースには彼の『仕事道具』が入っているし、ジャケットの裏には予備の拳銃も隠してある。

都合が悪くなれば口封じというのは暗部の常套手段で、実際垣根や誉望もしょっちゅうそうやって乗り切っている。

だがそれはあくまで学園都市内での話であって、下部組織のサポートも満足に受けられない『外』で、正体不明の相手に対して同じ手段を使うのはリスクが大きすぎる。

今の彼らはスパイであり、戦争要員として送り込まれた訳ではない。

無用な武力行使は避けるべきだ。

(陽動の一撃を放って、その隙に逃げるか。垣根さんには怒られるだろうけど、魔女に捕まってたとか適当に言っとけばいに)

「勘違いしないで欲しいけど」

と、誉望のただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、少女が一歩後ろに下がりながら言った。

「私は別にあなたたちと敵対するつもりはないわ。先に行った派手な男もそうだけど、あなたたち、巴マミに用があるのでしょう?」

「……!? 何でその事を」

「あなたの仲間がそう言ってたからよ。あなたたちの目的は知らないけどとにかく私は巴マミの仲間じゃないから。私の邪魔さえしなければそれでいいわ」

「……、なら何で誘導尋問みたいな事したんだ? 一触即発の空気作ったのはそっちだろ」

「あなたたちが何者なのか知りたかったのだけど、嫌ならもうこれ以上は詮索しない。そもそも今はここで争ってる場合じゃない。あなたの仲間も危険な目に遭ってる可能性が高いわ。急がないと」

「……いやあの人なら多分……。分かった。君がそう言うならとりあえず急ごう」

そう言われて誉望も警戒を解き、再び早足で通路を進む。

向こうが矛を収めてくれるなら、こちらから仕掛ける理由はない。

だが、彼としては一つどうしても気になる点がある。

誉望は歩きながら、一点だけいいか? と少女に尋ね、

「何で俺たちが普通の一般人じゃないって思ったんだ?」

「私に絡みついたリボンを、あなたはカッターナイフみたいなものでいとも簡単に切ったでしょう?」

「?? それが何か?」

いまいち理解のできない誉望に、少女は彼の手元を見ながら言う。

「あのリボンには『魔翌力』が込められているから、刃物なんかじゃ切れないのよ」






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