6:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 14:49:22.38 ID:A6rjc17z0
「そんなにも、君の『不幸』は強力なものなのか?」
お茶を出し終えた事務員さんが、お盆を持ちながら壁に寄りかかり、腕組みをしました。
「『不幸』って?」
首を傾げるプロデューサーさんに、事務員さんも肩をすくめました。
「これまでの所属事務所の件も含め、彼女にまつわる噂話さ。オカルトの域を出ないがな」
つまり、彼女の身の回りには、いつも不運な出来事がつきまとうのだそうです。
信号に悉く捕まったり、買ったお弁当にお箸が入っていないのは序の口。
外で食べ物を手に持っていると、すかさずカラスに奪い取られ、行列に並べば、必ず自分の手前で定員オーバーになるとか。
なんと、頭上から植木鉢が振ってくることもしょっちゅう――。
そ、それが本当だとしたら、非常に危ないことでは――?
「さすがにバナナの皮でツルッと滑って転ぶとかはないでしょ? アハハハ!」
プロデューサーさんが、そう言っておちゃらけてみせても、彼女はますます頭を垂れるばかりです。
「……マジか」
「は、はい……」
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