219:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 03:29:12.66 ID:LS54PsoZ0
話によると、ほたるちゃんは、1時間ほど遅れそうとの連絡があったそうです。
バスの経路上にある踏切が、信号機の故障か何かで大渋滞となっているのだとか。
『まぁだからさ、ゆっくり来ていいからね。
ネーサンはボロ車の整備に余念が無いし、俺は携帯でゲームしてるから』
「そうですか……」
『この分だと、小田厚の出口か箱根新道でどうせ渋滞に捕まるだろうし、ゆっくり行こう。
あ、何か適当にCD持ってきてよ。この車、BluetoothもSDカード挿す所も無いからさ』
「あ、は、はい……あの、プロデューサーさん」
『ん、何?』
「ありがとうございます」
『ワハハ、いやいやどうも。でも、あまり遅くならないようにな。
小田厚降りた所に美味い蕎麦屋があって、そこのランチには間に合いたいんだ』
「はい、分かりました」
『うん。じゃあ、また後でね』
通話を終えて携帯を置き、ボーッとベッドの上から窓の外を見つめます。
太陽はすっかり登り、通りを慌ただしく走る車と、電車の音が微かに聞こえてきます。
まさか、寝坊するなんて――そんなに、お酒は飲んでいないつもりだったのに。
ふと、テーブルの上に置いていたネックレスが目に留まりました。
先ほど、プロデューサーさんへ「ありがとう」と言ったけれど――ちゃんと、意図は伝わったかしら?
――ふふふっ。
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