147:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 23:19:51.30 ID:A6rjc17z0
事務員さんが指を差す先には、資料を片手にスタッフさん達と忙しそうに言葉を交わしている、帽子姿の男性がいました。
「はい」
「それと、例のモノは、いつ渡すんだい?」
腕を組み、ニヤリとさせる事務員さんに、私は少し言葉に迷いました。
「あ、うーん……」
こまねく手に持つバッグの中には、ほたるちゃんへのプレゼントがあります。
もちろん、彼女には内緒です。そして、プロデューサーさんにも。
事務員さんにだけこっそり相談し、今日のために準備してきたものでした。
「ステージに挙がる直前に、舞台袖で」
「しっかりな……先方の重役が見えたようだ。挨拶に行ってくるよ」
「あ、はいっ」
ピシッとスーツを着こなして颯爽と歩く後ろ姿――本当にカッコいいなぁと思います。
私なんかよりも、事務員さんはよほどプロデューサーとして頼もしいです。
ううん、私も出来ることをやらないと。
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