135:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:40:27.81 ID:A6rjc17z0
――この辺の人じゃないねぇ。どちらから来なさった?
「あ、えぇと……東京、です」
――東京からねぇ。ここは何も無くて退屈でしょう、ホッホッ。爺さんの田畑しかねぇ。
「い、いえ、そんなことありません! 私……とても、好きです」
「今は、東京住みですけど……
私の実家、ここから車で1、2時間ほどの、同じ県内ですから、懐かしくて」
――あらぁ〜そうだったの。こんな綺麗な人だのに同郷だったなんてぇホッホッホッ、嬉しいわぁ。
――ミィちゃん。ミィちゃんこの人も岩手の人なんだって。
ギュッと祖母の体にしがみつく幼い私を、祖母はニコニコと優しく撫でます。
――ミィちゃんも大きくなったら、この人みたいに綺麗になるかもねぇ。
そう、祖母は――この後きっと、家の近くの畑に彼女を連れて行って、テントウムシの捕まえ方を教えるのでしょう。
――もう二ヶ月くらいしたら新米がとれっから、良かったらまた来てください。それじゃあ、ミィちゃんや。
「あ、あのっ!」
――はい?
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