134:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 22:35:47.64 ID:A6rjc17z0
――おーい、ミィちゃーん?
遠くでふと、彼女を呼ぶ声が聞こえました。
とても懐かしい声です。
「おばあちゃん……」
世界が次第に輪郭を帯びてきました。
緩やかに流れる川のせせらぎ。その傍に広がるのどかな田園と、あぜ道の匂い。
そう――父方の実家に遊びに行くときは、決まって夏休みでした。
――ミィちゃーん。ミィちゃん、ここにいたのかい。おや?
祖母は、私を見るとニコリと笑い、頭を下げました。
――あらあら。すみませんねぇ、孫がご面倒をおかけしたようで。
「いえ、何も……」
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