121:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:30:52.14 ID:A6rjc17z0
「私は、ほたるちゃんのそばにいるべきではありません……!」
「おい、待て、美優さんっ!」
スタジオを飛び出し、どこへともなく駆け出しました。
足の痛みなど、まるで気にする暇もありません。
途中、どこかのバス停で、ちょうど停車した行き先も分からないバスに飛び乗りました。
空いていた後ろの方の座席に座り、逃げるように、隠れるように身を縮めます。
早く発車して――!
やがてバスが動き出し、先ほど駆けてきた道が遙か後方に通り過ぎると、私の口からため息が漏れ――。
「うぅ、う……!」
劣等感に満ちた嗚咽を必死に抑えようと、私は口に手を当て、うずくまりました。
「大丈夫?」と、通路を挟んで向かいの席に座ったお婆さんが、声を掛けてくれます。
でも、私は、それに応える事ができませんでした。
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