8: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:06:37.45 ID:zmYsrQkn0
曙は半分の端を口の中で噛み、シャーベット状になった中身を絞り出す。しゃりしゃりと聞くだけで涼しくなる音が曙の口内から響いてきた。
手渡された半分に対して俺は所在なさげだ。色々な疑問が脳内を駆け巡って、そしてそのすべてに対して回答できないでいる。ただひとつ、アイスと触れている肌の冷たさだけが厳然たる事実だった。
アイスを見て、曙を見る。
9: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:07:21.66 ID:zmYsrQkn0
「他の三人は?」
「宿題が終わってないって。あ、朧と漣が。潮は、見てあげるって」
10: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:07:58.55 ID:zmYsrQkn0
「……別に、俺に相談しろというわけではないけど、無理をする必要はないぞ」
「そういうわけじゃない。みんな大切な友達よ」
11: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:08:36.45 ID:zmYsrQkn0
「……」
「……」
12: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:09:20.59 ID:zmYsrQkn0
「出たか」
「うん。行く?」
13: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:09:48.44 ID:zmYsrQkn0
建造にも改造にもとかく逐一書類は必須だ。組織が巨大になればなるほど、仕方がないことではあるが、面倒くさいと思う時がないわけではない。大本営と連絡がつかなければ、いっそ好き勝手、やりたい放題できるのだが。
冗談だった。本土との通信途絶は殆ど敗戦みたいなものだ。そんな時が来ないことを切に願うばかりである。
14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:10:35.82 ID:zmYsrQkn0
「よく食うな。腹、壊さんのか」
「は? 一人じゃ全部食べないけど?」
15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:11:38.55 ID:zmYsrQkn0
「いいのっ! どうやってあんたと仲良くすればいいのかなんて、わかんないし!」
胸がぽかぽかしてきた。きっと俺も、耳が赤いはずだ。
それは誓って陽気のせいではなかった。
16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:12:05.49 ID:zmYsrQkn0
おしまい
17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2018/04/26(木) 20:13:57.82 ID:zmYsrQkn0
本編の息抜きに短編。
短編も年長者ばかりが続いたから駆逐。
本当は58といちゃいちゃする話だったのは内緒。
58の影も形もなくなってて草。
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