武内P「島村さんとラブホテルに入ることになってしまいました……」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/04/24(火) 23:07:24.29 ID:bOgng+vj0
「あ、プロデューサーさん。ママがプロデューサーさんと一緒なら安心だって!」
「こちらも、今のところ問題はないようです」

 お互いの朗報にひとまず安堵する。不幸中の幸いとはこのことだろう。

「それじゃあ、後は泊まる場所を探すだけですね!」
「はい、ちょっと距離がありますがこの先に泊まれる旅館があるようです。そちらの方に行ってみましょう」

 携帯の地図で確認しながら、目的地に向かって歩きだす。
 距離はあるものの、夜になる前には十分たどり着けるだろう。
 しかし、プロデューサーはそのとき失念していた。自分たちが山の方にいることを。
 ――歩いていると、次第に辺りが暗くなっていった。空が、雲に覆われている。

「一雨、きそうですね……」
「ええっ! あんなに晴れていたのに……」

 実際、ぽつぽつとだが雨粒が落ち始めてきていた。

「島村さん、傘は持ってきていますか?」
「晴れるって天気予報では言っていたから、家に置いてきちゃいました……」
「では……」

 そういって彼はバッグから折り畳み傘を取り出して開く。突然の雨にも対応できるように忍ばせておいたのが役に立った。
 卯月が濡れないよう、傘の中に入れる。

「あ、ありがとうございます……」

 間もなく、雨が本格的に降り始めた。
 折り畳み傘はそれほど大きくはないものの、卯月にそこまで雨粒はやってこない。
 ふと、卯月はプロデューサーを見た。自分より体格が大きいのに、この傘では二人は入りきるわけがない。
それなのに自分があまり濡れないのは何故だろう。
 答えは一つしか無い。案の定、傘を持った大男の肩は濡れ始めていた。

「プロデューサーさん、あの、肩が……」
「ああ、大丈夫です。このくらい……」
「でも……」

 そこまで言って卯月は口をつぐんだ。
 おそらく何を言ったところでプロデューサーは卯月のことを優先してくるだろう。
 そういう人なのだ。不器用だけれど、いつもアイドルたちのことを真剣に考えてくれる人。
 次第に雨が強くなってきた。
 どうやら通り雨ではないらしい。卯月も少しずつ濡れ始めてきた。

「まずいですね……」

 旅館まではまだ距離があった。たどり着くころには傘があってもずぶ濡れになってしまうだろう。
 卯月も不安そうにしているプロデューサーに気づいた。
 自分に何かできることはないか、せめて他に避難するところでもあれば。卯月は辺りを見回す。


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