小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:24:37.42 ID:WQSNhX7B0



秘密基地にね。
友達がいたの……昔の話。

小学生のとき、学校の裏の広い林の奥の方に大きな2本の樹があって、そこに秘密基地を作った。
最初は男友達と一緒にいろんなガラクタを拾ってきてそこに集めたりして遊んでたんだけど、だんだんみんな飽きてきて、いつの間にか秘密基地に誰も行かなくなった。

そして、誰もが秘密基地のことを忘れてしまったある日のこと。
私はうさぎ小屋の掃除当番で、放課後だった。
それでね……ちょっと目をはなした隙にうさぎが一匹逃げちゃったの!
慌てて追いかけるんだけどうさぎはもう林のなかに見失っちゃって、私は半泣きになりながら必死に探したんだ。

そうしたら、林の奥の秘密基地に知らない子がいるのを発見してびっくりした。
髪の長い女の子だった。
全然見たことない子だったから、もしかしたら下級生かな? と思って声をかけてみたら、あっちもびっくりしたみたいで、でも普通におしゃべりすることはできた。

「うさぎが一匹逃げちゃったの。一緒に探してくれない?」

「うん。いいよ」

お互い名前も名乗らずに2人で黙って林のなかを探し回った。
こんな場所で何してたの、とか、何年生、とか、そういうことはまったく聞かなかったし気にしなかった。

……でも結局、うさぎは見つからなかったんだよね。
暗くなってきたから探すのは諦めて、それで先生に謝りに行ったんだけどそんなに怒られなくてホッとした。
だけどやっぱりうさぎが一匹いなくなったのはすごく悲しくて、ちょっと泣いちゃったんだ。

「どうして泣くの……」

見ると、その子もなぜか泣いていた。
そうして2人でべそべそ泣きながら同じ帰り道を歩いてた。

そのとき、友達になろう、って言われたの。
私は、うん、って答えた。


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