小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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29:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:42:44.56 ID:WQSNhX7B0
シャワーを浴びてさっぱりした後、ソファでくつろぎながらなんとなくテレビを見ていた。
ニュースによると明日は雨が降るらしい。

「雨かぁ」

私が呟くと、お風呂上りに歯を磨いていたお姉ちゃんがキッチンから出てきて、

「あめ? 食べたいの?」

「キャンディじゃなくてレインの話。明日降るんだって」

「なーんだ」

そう言って奥の洗面所の方に引っ込んだ。
そしてすぐ戻って来るとソファの隣にぼすんと座って甘えるように寄りかかってきたので私は「なぁに?」と聞いた。

「美穂ってさ、キスしたことある?」

「いきなりなに」

私は平静を保とうとして真正面のテレビ画面をじっと見つめていたけど内容は全然頭に入ってこなかった。
そもそも心臓がドキドキ鳴る音は抑えようがなくて、それでお姉ちゃんは私の胸にそっと手をあてて言うのだった。

「そんなに緊張しなくていいのに」

「べ、べべ別に緊張なんかしてないもん、お姉ちゃんがいきなりヘンなこと言い出すから……」

「じゃあ興奮してるんだ。わー美穂ったらヘンタイー」

「もう、怒るよ」

「ごめんごめん」

私の機嫌を損ねるとたいへん面倒なことになると分かっているのでお姉ちゃんは多少ふざけることはあってもふざけすぎるということは滅多にない。
でもこの時のお姉ちゃんは口ではごめんと謝りながらも私の胸に当てた手はどけてくれなくて、それで私は真面目な話をしているんだと思った。


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