小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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28:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:41:59.46 ID:WQSNhX7B0
つい先週、あれよあれよという間にとあるドラマに出演することが決まって、それで私はただでさえ人前に出るのに緊張するのに演技なんて出来るのかなってお姉ちゃんに相談したら、じゃあお芝居の勉強をしようって私を誘ったのがきっかけだった。

でも今日見た映画は、映像はけっこうキレイだったけどストーリーがしっちゃかめっちゃかで、なんていうか監督のジコマンゾクって感じの内容だった。
というようなことがネットのレビューに書いてあって、そう言われるとなんだかそんな気がしてしまうから私は自分が面白いと思った映画はなるべくネットの評判は見ないようにしている。
我ながら流されやすい性格だと思うのであった。


私たちはおいしいイタリアンをほどほどに平らげると最後にデザートを注文し、窓の向こうにどこまでもひろがる夜景を一望しながら、そして遠くの方に不気味な影をひそめている天国への階段を眺めながら、のんびり時間が過ぎるのを愉しんだ。

もう少し大人になればきっとここにはオシャレなカクテルとか高級な赤ワインなんかが添えられるんだろうけど、残念ながら私たちはまだあらゆる面で子供で、秘密基地にえっちな雑誌を持ち込んでドキドキしていた頃のままの純粋さを今も捨てられずに持て余していたので、大人になるための儀式はよくできた恋愛映画の中にしかないと思い込んでいた。

そしてアイドルというのはいつも出来合いの舞台の上で踊り続けなければならなかった。
そう教えてくれたのは誰?

だから私たちは子供同士のキスをすることにした。

ツギハギだらけのストーリーにおあつらえ向きな、都合のいいハイライトシーンみたいに。




夕食と夜景とおしゃべりを堪能したあと、私とお姉ちゃんは未成年に許されるギリギリの時間にマンションの自宅に到着した。

お姉ちゃんは玄関で靴を脱いだと思うとそのまま靴下も上着もぜんぶソファのうえに放り投げて気持ち良さそうにベッドにぼふんと倒れ込んだ。

今日は映画館以外にもたくさん遊んでまわったから、けっこう疲れたんだよね。
それは私も同じだった。

「もう、せめて洗濯カゴに入れてよね」

「ん〜」

ベッドにうつぶせになったまま気の抜けた返事をする。
外ではそうでもないのに、家のなかだと本当にだらしないんだから。
こまったお姉ちゃんだ。


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