17:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:15:11.13 ID:25rQ95o00
パチパチと跳ねる音が、室内に響いていた。
広いキッチンでは、ほたるちゃんがタブレットと睨めっこをしながら油たっぷりの鍋に向かっていた。
私は居間のテーブルに坐りながら、調理に励むほたるちゃんを見ていた。
エビとナスビということで、天ぷらにすることにしたのだ。他にもシソやちくわを買って、もう衣もついて準備は万端だった。
でも、ちょっと心配。
「ほたるちゃん、私も手伝いましょうか〜?」
「へ、平気です……あっ!」
パンと跳ねた油にびっくりして、ほたるちゃんは後ずさり。そのまま後ろの棚に頭をぶつけてしまった。
「ほたるちゃん?!」
私は立ち上がって側に駆け寄る。ほたるちゃんは涙目になって、タブレットを持ったまま、ぶつけた所を手で抑えていた。
一緒に住んで分かったが、ほたるちゃんは運が悪いのもあるだろうけど、それを抜いても少しおっちょこちょいだ。
「大丈夫、ほたるちゃん」
「へ、平気です。それにタブレットも落としませんでしたし」
笑いながら彼女は言った。だから運がよかった、ということらしい。
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