2:名無しNIPPER[sage]
2018/04/19(木) 23:58:56.44 ID:BVDWdTXW0
実家を追い出されたのはアイドルにスカウトされたのを一旦断ってからそう遠くない日のことだった。
きっかけは些細なことだったような気がする。気が付いたら父親に説教され、売り言葉に買い言葉、家を飛び出していた。
持ち出したのは数日分の着替えや生活用品、幾ばくかのお金に
「シンデレラプロダクション……か」
実家で和菓子を売ってた私をスカウトしてきたプロデューサーを名乗る男が置いていった名刺だ。
ご丁寧にプロダクションの住所やら自身の所属部署、連絡先などが記されている。
正直行くあてなどなければ、これからどうするのかなんて決まっていない。
とりあえずこのままだとどうしようもないし、喧嘩した父親にすぐ頭を下げるのも癪だ。
そう思った私は早速京都駅にまで向かい、夜行バスのチケットを探す。幸い平日、それもシーズンオフならば格安で東京に行くバスは存在する。
「ま、なんとかなるでしょ」
そう呟いた私は深夜バスで一人、行ったこともない東京へと出発するのだった。
ちなみに深夜バスというのはあまり寝心地がよくない、割とどこででも寝られる自信はあったが朝起きてみるとあまり寝心地はよくなかったようだ。
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