133: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/23(月) 22:07:23.62 ID:uqQOtxCi0
ひとりぼっちの俺の事ば、おまんが二人にしてくれた。そしたら、俺は二度と、元のひとりぼっちに戻ることは、出来んくなってしもうた。
おまんだって、おんなしに違いねえんじゃ。
じゃから、俺はどんな事ばしても、本当は帰らなきゃならなかったのに。
おまんのそばに、最期まで居なきゃならなかったのに。
ひとりにしてはならない。わかって、いたのになぁ。
ごめんな。
俺はおまんに、あの世も来世も無えぞと言うた。
それは俺の生命ば、必ずこの地の上で使い切って、今生のうちにおまんば幸せにするのだと、誓っておった故。
じゃから、こったな事は言い訳になり申す。だども最期じゃから。何卒、聞いてくりゃれ。
俺は、護国の鬼などにはなんね。俺の御霊はおまんの傍にあって、必ずやおまんの幸せば、見届け申す。
おまんを心から恋し尽くして、二度とおまんをひとりにはせぬ、おまんを支え抜くことの出来る婿殿を、必ずおまんに添わせ申す。
それまでの間、もし辛かったら、目を閉じ、歌え。俺は必ず、其処におる。おまんが俺の目の裏に居続けてくれたように、俺も、必ず。
そしていつか、そったな天晴れな婿殿と契り交わした、そん時こそ、俺の事ば何もかも、綺麗さっぱり、忘れて呉れ。
五体ばずたずたに千切れるまでもがいて、それでもおまんの事ば、ちっとも幸せに出来んかった。
面目次第もござらね、まったく情けねえ男だども、その偽りなき本心だけは、どうか、聞き届けあってくだんせ。
163Res/145.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20