105: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/23(月) 06:57:28.99 ID:uqQOtxCi0
「……零点、ですね」
へたくそな字、めちゃくちゃなつづり。
胸に抱き締めた、くしゃくしゃになるのも構わず。
きっと、わっちを笑かそうと思って考えたでありましょう駄洒落は、こん時ばっかりは、まったく落第でありんす。
「ぜんぜん……笑え、ま、せっ……」
おまえ様のぬくもり、手紙のふちっぺらに残っておらぬものかと思いましたが、胸に押し当てても、巡るのはわっちの虚しさだけであんした。
嘘ばっかりの手紙どす。おまえさまは、あの世も来世も信じねえと言っていたではねのすか。
こったなもの、信じたくないよ。
わっちはただ、おまえ様に幸せになってほしいだけ。逢いたいとか、夫婦にしてほしいとか、そったな贅沢は申しませぬ。
なんして、それだけの願いがこの両手から滑り落ちていくのでしょう。
この妖瞳の忌み子には、そればかりも許されませぬか。
ご神仏様。もし居られるのでしたら、どうかなにもかも、わっちからお取り上げにならないでくださいませ。
「うっ……ううーっ……!」
獣みたいな掠れっ声が、喉の奥から漏れあんす。
もう、何をどうすれば良いのか、わかりんせん。
こんなにつらいのなら、いっそ、消えて無くなってしまえば良いのかな。
163Res/145.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20