54:名無しNIPPER[saga]
2018/04/19(木) 21:42:28.00 ID:OSV+oEgr0
「ねぇ、お兄ちゃん」
思ったより落ち着いた口調で、愛華が俺にそう言った。
「私とあの女、どっちの方が好き?」
「……。あー、それはもちろん、恋人になりたいとか、キスしたいとか、愛してるとかの方の意味ではないよな?」
「当たり前でしょ」
なに言ってるの気持ち悪いとでも言いたげな目で見られる。
「だったら愛華の方が好きだぜ」
「本当に? ウソじゃないよね?」
「俺はお前にウソをついたことはない。冗談はいうけど」
「じゃあ、どのくらい私の方が好き?」
「残念ながら相川のために死ぬことはできないけど、愛華のためなら死ねる」
「……わかった。私は別にそこまでお兄ちゃんのこと好きじゃないけど」
「なんだと」
「ねぇ、私ってかわいい?」
「宇宙一かわいい」
「……、わかった」
愛華はまだ不満そうだったが、一応納得はしたようで、自分の部屋に戻っていく。
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