11: ◆.s5ziYqd8k
2018/04/16(月) 22:11:03.88 ID:xaEfnyHJ0
不思議、不思議なことだらけだ。この空街は不思議に溢れている。
次の不思議に気付いたのは100階を越えた時だった。前髪が揺れて、景色がさながら櫛状に刻まれる。
「あれ……」
「どしたのユミカ、ゴキブリでもいた?」
「100階まで登ってきたのに、疲れてない、よね」
「んー? んん、そういえば確かにぃ。なんで? おらおら、ここガイドの見せ所だよ」
やよいはもう、だいぶ遠慮が無い。
私も諫めるのをだいぶ前に諦めてしまった。
ガイドさんはこれまた得意そうに指を立てていて、どこか子供っぽい。
……なんだか、年上だという事を忘れてしまう。
「ははぁ、なるほどなるほど。つまり疲れもしないしぃ、眠くもならないと。ところで霊子って私達に効果無いんじゃなかったのん」
やよいの首が傾げられる。私も同じ気持ちでガイドさんを見つめてみる。
ガイドさんは微笑みを携えて、優しい声で紡ぎ出す。
『ここはね、世界の始まりの柱なんだ。時間で崩れる事が無いよう、時間は進めど進まないのさ』
17Res/15.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20