20: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:14:00.08 ID:wXMMdwi10
「なんかあったのか」
お腹に響くプロデューサーさんの声が、冷たくて、重たい。
21: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:14:48.54 ID:wXMMdwi10
「ほら、うちの総選挙といえばCDデビューじゃん、やっぱり。あたしの知った顔でもデビューがまだな子って大勢いるわけだし。
あたしはさ、表彰台に立たせてもらって、歌まで歌わせてもらったじゃん。だから、なんていうのかな。
その、あたしにこれ以上投票してもらっても、よくないのかな、っていうか」
22: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:15:38.17 ID:wXMMdwi10
ちょいちょい。
プロデューサーさんが怖い顔のままで手招きしている。
23: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:16:06.79 ID:wXMMdwi10
「……っ」
あ、これ。
24: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:16:33.17 ID:wXMMdwi10
……でこぴん?
「いっ……たぁ!」
25: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:17:40.42 ID:wXMMdwi10
「あほたれ」
目を開けて見たプロデューサーさんは、もう怖い顔をしていなかった。
26: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:18:24.12 ID:wXMMdwi10
プロデューサーさんの瞳の中に、こちらを見上げているあたしがいる。
引き潮のように遠のいていく痛みとは裏腹に、白い額にうっすらと残っている痕が、なんだかおかしい。
27: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:18:56.07 ID:wXMMdwi10
「んー、ブースト?」
茶化すように答えるけれど、きっとプロデューサーさんは何もかもお見通しなんだろうな。
28: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:19:25.03 ID:wXMMdwi10
「いやー、なにすんのさー」
言葉とは裏腹に身体はまったく逃げようとしない。
29: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/16(月) 00:19:55.31 ID:wXMMdwi10
「前に声出し選挙あったろ。4回目の総選挙の前のやつだ。覚えてるか?」
無言で頷く。
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