高垣楓「おでん」
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30:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 17:13:12.87 ID:ah/HvYxA0

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 『センターより各車。駅西足りずー。応援願いますーどうぞ』
 『了解。十七番車向かいますどうぞ』
 「了解。十二番車も向かいますどうぞー」
 『あーそうだ大将、昨日のジッポ返せどうぞ』
 「すまん、忘れてた返すわ以上」


全く景気の良い事だ。

一頃に比べればタクシーを利用する客も随分と増えた。
バブルの頃とまではいかないが、中々に盛況だ。
忙しいのは喜ぶべき所なんだろうが、こう人手が足りなくちゃあ休む暇が足りない。
かと言って段々と客足の増え始めたばかりの店を閉めっぱなしってのもアレだし、

ううん、どうすりゃいいんだ。
なんて、こうして悩んでられるのも贅沢な話なんだろうな。

そんな考えを回しながら駅前まで車を回す。
車列のケツにくっ付き、一分と経たない内に俺の番になった。
前の車が走り去ると次の客の姿が見えて、俺はそのシルエットに見覚えがあった。


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