29:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 17:02:05.71 ID:ah/HvYxA0
でもそのお店、金曜の夜しか開いてないんです。
けっこう穴場のお店で、あ、言っちゃってもよかったのかしら。
おでんが美味しくてですね、お酒が進みますよ。
どうもそんな感じの話をゴールデンに触れ回ったらしく、
その後も数組のお客さんがやって来た。
俺は慌てて予備の椅子を並べ、酔いどれ共からビール籠を奪い返し、
ありったけの手際でおでんを炊いた。
酔っ払い共は文句を言いながら立ち飲みを続けていた。
「すいませーん、チョリソーもう一つ貰えます?」
「へいお待ちを!」
「清酒の中、お代わりお願いしますー」
「ただいま!」
「なぁ大将よ、本当の所さ、楓ちゃん次はいつ来んだ?」
「黙って飲んでろ!」
ああ。
やっぱりアイツらは別世界の人間だ。
もう、こんな場末にやって来る事も無いだろうさ。
そんな感傷に浸る暇も無く、俺はただひたすらに手と目を回し続けていた。
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