14: ◆Hnf2jpSB.k[saga sage]
2018/04/12(木) 19:39:27.60 ID:b5T3fSU/0
事務所でのライラさんは、ふんわりと柔らかい、出来立ての食パンみたいな笑顔でいるんですけど。
ベンチに腰掛けるライラさんは視線を足元に落としていて、ちょっと元気がなさそうです。
実はあたし、ライラさんとそんなにお話をしたことはないんですけど、でも、気になります。
近道のお陰でまだ時間に余裕がありますし、声をかけることにしました。
「ライラさん、おはようございます」
「おー、みちるさん」
後で聞いた話なんですが、ライラさんは事務所のみんなの名前を憶えているそうです。
なんでも、名前はその人を表す大切なものだから、憶えるのが礼儀なんだとか。
よその国の言葉の名前を憶えるのって、すごく大変なんじゃないでしょうか。
同じ言葉をしゃべるあたしでも、全員は怪しいのに……
「おはようございますですよー」
ライラさんの日本語は、発音がちょっとズレていて、言葉遣いも独特でした。
でも、のんびり丁寧な話し方は、聞いているこっちが安心してしまうくらい優しく響いてきます。
「何かありましたか? 元気がないみたいですけど」
「あー、分かってしまいますですか」
もし難しい悩みとかだったらどうしよう。
声をかけてからそんなことに気付きました。
でもまあ、話しかけてしまった以上考えても仕方ないですよね!
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