【ガルパン】典子「どうしたらバレー部が復活するんだ!」
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1: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 22:54:03.97 ID:C/ZRoeK50
典子「おかしい!廃校の危機をも気合いと根性で乗り越えてきた私たちがなんでバレー部を復活させることができないんだ!」

バレー部のキャプテン、磯辺典子が叫ぶ。
バレー部復活を夢見て戦車道を始め、今や誰からも一目置かれる戦車乗りとなった彼女だったが、肝心のバレー部員は未だ集めることができないでいた。

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2: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:15:21.05 ID:C/ZRoeK50
妙子「別に廃校の危機は気合いと根性だけで乗り越えたわけではないと思いますが……。」

1年のバレー部員、近藤妙子がツッコミを入れると、同じく1年の佐々木あけび、河西忍も同意する。
この3人はバレー部が廃部になった後も典子と共にバレーを続けたチームメイトだ。
当然結束力も高い。
以下略 AAS



3: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:16:33.65 ID:C/ZRoeK50
典子「そうか!その手があった!ちょっと行ってくる!」

忍の言葉になにか思い付いた典子はすぐに走り去る。
置いていかれた1年生たちはしばらく呆気にとられていたが、今更典子を止められるわけでもなく、そうしていても仕方がなかったのでバレーの練習を始めたのだった。


4: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:19:41.42 ID:C/ZRoeK50
典子「ということで相談に来ました!」

案の定典子が向かった先は戦車道の隊長である西住みほのもとだった。
みほは弱小どころか去年まで戦車道すらなかった大洗女子学園を全国大会優勝に導いた程の指揮官だ。
そんなみほのもとで戦車に乗っていた典子が彼女を頼るのは当然、むしろ何故今まで思い付かなかったのか不思議なくらいである。
以下略 AAS



5: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:20:11.61 ID:C/ZRoeK50
典子「お願いします!私たちにはこれ以上なにも思いつかないんです!」

みほ「わ、わかりましたから頭を上げてください!」

みほは頭を下げる典子のお願いを無下にすることもできず、結局引き受けることにしたのだった。


6: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:20:54.34 ID:C/ZRoeK50
みほ「うーん、そうですね……例えば……バレーは楽しいんだって周りにアピールするのはどうでしょう?」

典子「うーん、私たちが楽しくバレーをすることでアピールしているつもりなんですが……どうして伝わらないんですかね?」

みほ「言いにくいんですが……楽しみすぎてるんじゃないでしょうか。楽しむことに夢中だと他の人ってそこに入りにくかったりしますから。」
以下略 AAS



7: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:49:01.10 ID:C/ZRoeK50
みほ「気になるけど話しかけられない、きっかけがないと入っていけないってことが結構あると思うんです。私もそうですし……。」

この場に沙織と華がいれば3人が友達になった日を思い出しただろう。
みほは間違いなくそういうタイプだし、本人も自覚しているからこそのアドバイスということが容易にわかる。

以下略 AAS



8: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:49:39.10 ID:C/ZRoeK50
みほ「はい。でもそれをしすぎるとかえって逆効果なので、ここぞというときに勧誘するのがいいと思います。しつこいとやる気になりませんから。」

典子「難しいですね。楽しいことをアピールするけど自分たちが楽しみすぎてもいけない。きっかけを作るために話しかけないといけないけど誘いすぎてもいけない。と……。」

典子は頭を掻いて悩む素振りを見せる。
以下略 AAS



9: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:50:07.21 ID:C/ZRoeK50
みほ「ほどほどにってことですね。皆さんがバレー部を復活させたいって気持ちはみんな知っていますので、あとはきっかけ、そしてどれだけやる気にさせることができるかだと思います。」

典子「やる気にさせる、ですか?」

みほ「例えばバレーのポジション1つを体験させて良いところをとにかく褒める、とかですね。褒められればやる気になりますから。」


10: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:50:36.40 ID:C/ZRoeK50
典子「なるほど!流石西住隊長!大変勉強になりました!」

みほ「参考になったなら良かったです!」

典子は花が咲いたような、いや、竹を割ったような笑顔でお礼を述べる。
以下略 AAS



11: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:51:32.44 ID:C/ZRoeK50
典子「それにしても西住隊長はよく色んな作戦を考えられますね。コツとかあるんですか?」

みほ「コツ、って言えるかわからないですけど、他の人の意見を聞いたりとか、他の人の作戦を真似してみたりとかするといいかも。」

典子「真似ですか?」
以下略 AAS



12: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:55:45.71 ID:C/ZRoeK50
典子「西住流は名門で人も多いって聞いていたんですが、やっぱり勧誘もしてるんですね。」

みほ「最近は戦車に乗る人も減ってきましたから、西住流でも門下生募集に力を入れているんです。」

典子「なるほど、それで……。」
以下略 AAS



13: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:56:31.79 ID:C/ZRoeK50
笑顔で返事をする典子を見て、みほは安堵した。
自身を縛りつけていた西住流の生まれに感謝すらした。
それほどチームメイトの相談に乗れたことが嬉かったのだ。
そんなみほに典子が唐突に尋ねる。

以下略 AAS



14: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/11(水) 23:59:25.80 ID:C/ZRoeK50
みほ「うーん、そうですね……。」

みほは一瞬考えた。
確かに悩みはある。それもみほにとっては大きな悩みだ。
しかしそれを打ち明けてバカにされないだろうか、なんて小さい悩みなのかと笑われないだろうか、当然そんなことはあり得ないと知ってはいるものの、それでも怖いものは怖いのだ。


15: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:01:05.40 ID:/W1xr3pr0
典子「西住隊長!なんでも言ってください!仲間じゃないですか!」

その言葉にみほは相談する決心をした。
典子がみほの恐怖心を打ち倒したのだ。
確かに2人は仲間だ。今まで何度も頼ってきたし、頼られてきた。みほはそれを思い出した。


16: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:07:54.83 ID:/W1xr3pr0
みほ「……そうですね。実は私、ある人とケンカしていて……仲直りするにはどうしたらいいと思いますか?」

典子「それはもう謝るしかないですよ!」

至極当然のことを真正面から言われ、みほは少し怖じ気づいてしまったが、勇気を持って話を続ける。
以下略 AAS



17: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:12:15.06 ID:/W1xr3pr0
典子「そんなときこそ根性ですよ!」

みほ「こ、根性?」

やはり心配になってきたみほを真っ直ぐに見据えて典子は熱く語る。
以下略 AAS



18: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:12:52.33 ID:/W1xr3pr0
みほ「そうですかね……?」

典子「西住隊長が仲直りしたいほどの人なら絶対わかってくれます!相手が悪い人でなければ謝罪は気持ちです!つまり根性!」

みほ「気持ち……根性……うん、そうですね!磯辺さん、私、やってみます!ありがとうございます!」


19: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:13:27.64 ID:/W1xr3pr0
みほは相談して良かったと心から思った。
つまるところ自分は自分のことも相手のことも信じることができない根性なしだったのだ。
そんな自分を見つめ直す言葉に目が覚め、勇気が湧いてくる。
2人が別れるころには2人ともどこかすっきりとした顔をしていた。


20: ◆saI1ZNzQKuJn[saga]
2018/04/12(木) 00:16:31.62 ID:/W1xr3pr0
それから数日後、その日もバレー部員は部員勧誘に励んでいた。

忍「全然部員増えないですね……。」

典子「諦めるな!根性だ!」


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