21: ◆eUYYCXmg66AS[saga]
2018/04/13(金) 21:33:35.04 ID:rQ27smY8o
3.―――――――――――――――――――
湖畔のキャンプサイトに戻ってきたけれど、まだ暖かいから焚き火は必要なさそうだ。さすが春。
拾ってきた薪をナタで割ったり、分割したりする。
なでしこが興味あり気に見つめているけれど、刃物を持たせるのは危なっかしい。
「これは寒くなるまでおあずけ」
「楽しみだね〜」
二人で椅子に腰をおろしてしばらくの間くつろぐ。
私は持ってきた本を読み、なでしこはスマホを取り出している。
スマホを手にゆっくりと立ち上がりながら、なでしこがしわがれた声で話しかけてきた。
「リンちゃんや、ちょいと写真を撮りに行ってもええかのう?」
出たな、田舎のお婆ちゃん。
「お婆ちゃん、野クルの子たちに見せるのかい?」
私もお婆ちゃんになり返事をした。
「せやで〜」
いつの間にかお婆ちゃんから犬山さんになったなでしこは元気よく駆け出していった。
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