12: ◆CfShMv7DuQ
2018/04/10(火) 23:23:15.20 ID:WKu1Dz3e0
「じゃあ改めて……白菊さんはどうしてアイドルになろうと思ったの?」
ここからはオーディションとか抜きで答えてくれて良いよ、と前置きをしてから男性はそう質問してきました。
「……小さい頃にテレビで見たアイドルはキラキラ輝いていて、私はそれを見て笑顔に、幸せな気持ちになりました」
「だから、私もああなりたい……私みたいに不幸な人も笑顔にすることができればって思ったんです」
今考えると過ぎた望みでしたね、なんて自嘲気味に笑う。
「過去にはどんな不幸が?」
「そうですね……ステージでは毎回のように機材トラブルがありましたし、セットや備品が壊れることもよくありました。後は事務所に泥棒が入ったことも……」
「なるほど……白菊さんはそれも全部自分のせいだと思っていて、だからもうアイドルは諦めるつもりなの?」
「……はい」
そうだ、今までの事務所であった不幸は全部私の不幸体質が引き起こしたこと…それは間違いない。
それに、もう私にこの世界での居場所は無いんだから…。
40Res/29.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20