42: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 22:28:37.29 ID:VXIG2kdO0
「なーんや、ちょっと待ってて」
そう言いおいて、身を翻す。
暖簾をくぐり、小走りに庭を通る道すがら、男の人の顔をもう一度思い返す。
うーん、結構若そうな人に見えたけれど、見覚えがない。
うちで買い物してくれてたんなら、あたしも接客してるはずなんだけれどなあ。
そんなにぼんやりしてたのかね、今日のあたし。
店先の灯りはまだ点いていたけれど、誰もそこにはいなかった。
奥に引っ込める途中だった縁台が、放りっぱなしになっている。
その上に、黒い二つ折りの財布が置いてあった。
これかな、多分。
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