23: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/11(水) 23:22:48.04 ID:NEUYJJ3j0
ファイルを放り出し、抱えた枕と向かい合う。
名前も知らない緑色のお饅頭みたいなキャラクタが描かれている。
ぶさいくだ。
24: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/11(水) 23:24:47.05 ID:NEUYJJ3j0
お見合いはもっといや!
これ以上がんじがらめになるのは、堪忍して!
枕に顔を埋めて、再びばた足。
25: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/11(水) 23:25:32.60 ID:NEUYJJ3j0
ぼふぼふと布団の音だけが部屋の中にこだまする。
お母さんは店先に戻ったのだろうか。
家の中は、しんと静まりかえっている。
26: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 07:29:50.39 ID:VXIG2kdO0
●
ここ最近は、店番の最中もどこか上の空だ。
27: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 07:31:02.70 ID:VXIG2kdO0
将来、かあ……。どうしよう?
ゴールデンウィークに、実家に帰ってきていた皆と会ったときのことを思い出す。
皆きらっきらしてたなあ。
28: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 07:31:46.12 ID:VXIG2kdO0
やりたいこともないのなら、大学に行ってもしょうがない。
テレビの偉い人たちは口を揃えてそんなことを言う。
でも、大学に行かないと、やりたいことのヒントも見つけられないんじゃないですかね。
29: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 07:32:30.89 ID:VXIG2kdO0
ミッコは「いいなあ」と言う。
「お嬢サマやん、周子。就活もしなくていいしさ」
30: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 07:33:24.74 ID:VXIG2kdO0
青子は「わからんけど」と難しい顔で首を振った。
「うちも、おとんと大喧嘩して大学行ったからなあ」
31: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 22:19:14.18 ID:VXIG2kdO0
●
そろそろ夕暮れどき。
32: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 22:20:01.26 ID:VXIG2kdO0
「周子! ぼーっとしない!」
縁台を店に戻そうとしているあたしの背中に、お母さんの叱責がぶつかる。
33: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/12(木) 22:20:52.01 ID:VXIG2kdO0
言い返そうと思って振り返る途中で、池の水面に映ったあたしと目があった。
色々考えてるんやから、と言ってやろうとした。
なにを? と水面のあたしが問いかけてくる。
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