12:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 22:09:59.88 ID:ti9kriyWo
その時の千早さんの顔は、覚えていません。
多分、見るのが怖くて目を背けていたんだと思います。
結局、千早さんが挙げた曲は選ばれませんでした。
今思えば、これが境目だったのだと思います。
この日からみんな千早さんと距離を置くようになりました。
千早さんもまた同じでした。
彼女はもう、私たちの練習に口を出すことはありませんでした。
一応練習には参加していました。
ただ、誰とも会話をすることはありませんでした。
「私は、コンクールには出場しません」
みんな、大して驚きもしませんでした。
これが私が覚えている、私が部活を引退するまでの千早さんとの最後の会話です。
本当は、話しかけたかったんです。
でも私はそれができませんでした。
私だけでも千早さんの求める努力をすれば良かった。
何度もそう思いました。
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