「それでは、勇者の面接を始めます」
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9: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/03/30(金) 08:17:38.09 ID:hRbC8D020

いまとなっては、はっきりと言える
それは、誤りであったと

教会からの強大な支援も加わり、7代遊んで暮らせるほどの資産を得た勇者は、遊蕩に贅を尽くすようになった
王国から得た領地を、雇った執事どもに託してしまい
自身は、明るいうちから酒を飲み
日が落ちれば、日ごと違う女を抱いた

まあ、執事が優秀だったのか領地はうまく収まっていたのだが
そんな自堕落な生活を送る『聖人』を教会は見過ごしておくわけには行かなかった

そういうわけで。当時、異端審問官であった儂は勇者の下に派遣されたというわけじゃ
勘違いするでないぞ、勇者を『異端者』扱いにするために送られたわけではない
『聖人』に認定した勇者を、『異端者』と認めてしまえば
それ自体が、教会の正当性を失いかねないからな

要は、私は勇者に灸を据えにいったのじゃ
異端審問官である私を送ることで、教会の援助を打ち切るばかりか
最悪『異端者』として処断してしまうぞと脅しじゃな

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