「それでは、勇者の面接を始めます」
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85: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/04/22(日) 10:40:53.17 ID:AjSdyyFV0

行政官「剣聖殿…その右腕が見当たりませんが……どうされたのですか?」

剣聖「ん?ああ、これか」

剣聖「俺は、かつて魔王軍の主要幹部達を悉く暗殺した男の片割れだからな。命ぐらい狙われるさ」

行政官「炎魔将軍の襲撃以来、王都の警護は厳重になっていたのに。まさか再び侵入を許すとは……」

剣聖「いや、衛兵たちに罪はない。俺が時間を見つけては王都を離れていたことに原因はある」

行政官「何をされていたのですか!命を狙われているとわかっているのに王都を離れるなんて!?」

剣聖「各地で戦い続けてる冒険者たちにな、俺の知る限りの魔王軍幹部の情報を渡そうと思ってな」

剣聖「それで出先で襲われた。しかしやってみるもんだな」

剣聖「たまたま冒険者が近くにいたこともあるが。この老いた男の片腕を対価に、魔王軍四天王が一人の命を頂いたのだから」

行政官「魔王軍四天王を倒したのですか?」

剣聖「うむ。どうだ俺もなかなかのものだろう」

行政官「確かにすごいですけど……それで、大司教。その目は?」

大司教「いやさ聞いてくれ、行政官。王都を囲む結界の、範囲と強度を上げようとな。いろいろ画策しておったらな」

大司教「破壊神を崇拝する異端者共が呪いを飛ばしてきおった。おかげでこのザマよ」

行政官「両目とも見えていないのですか?」

大司教「そうじゃな、なんとか両目で食い止めた。呪いをかけられたのが儂でなかったら、命まで取られておったじゃろう」

大司教「しかし解呪のプロ集団である教会に喧嘩を売るとは、ほんに身の程知らずよ。すぐに呪詛返しで呪い返してやったわ」

行政官「お二人とも一体何をなさっているのですか……私たちの仕事の重要性を忘れたわけではないでしょうに」

剣聖「あー……その点はすまんと思うが、どうにもな」

大司教「居ても立っても居られないというやつじゃのう。儂らもお主と同様に、微力ながら力を尽くしたいと思ったのじゃ」


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