「それでは、勇者の面接を始めます」
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5: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/03/30(金) 08:15:45.61 ID:hRbC8D020
剣聖「一つ二つ死地を繰りぬけることができたなら、あるいは・・・」

剣聖「まあ、勇者として認めて差支えは無いほどの腕前ではあった」

大司教「それって、どれくらいの強さなんじゃ?」

剣聖「・・・やり方次第では前回の魔王から逃げおおせるぐらいはできるやもな」

大司教「・・・それって、すごいのか?」

行政官「さあ?」

剣聖「強さなんて、そう簡単に測れるものではないということだ」

行政官「じゃあまとめると、剣聖殿は勇者として認めて差し支えない。ということでよろしいですか?」

剣聖「そのとおりだ」

大司教「行政官、お主の意見はどうなのだ?」

行政官「私ですか・・・うーん・・・」

行政官「あの若い男には、勇者の印が見当たりませんでしたよね?それが気がかりですね」

剣聖「確かに、あの若者には勇者が持つという鳥型の印はなかったな」

大司教「神託で言われている『勇者の印』か?神託は正直、当てにしてはあかんぞ」

剣聖「・・・大司教のアンタが、それを言うのか」

行政官「神託は私たちが唯一持つ、勇者の身体的特徴を記したものですよ?だいたい、神託を役所に持ち込んだのは教会じゃありませんか」

大司教「神託と言っても、そんな便利なものでは無いからのう」

大司教「神託というものは大抵、いくつかの単語やイメージが降りてくるだけのものじゃ」

大司教「それを、教会の神官共が云々かんぬん言いながら尤もらしい文章に書き起こすからな。誤訳、意訳はあたりまえの世界じゃ」

行政官「えぇ・・・」

大司教「それに、ほら先ほどの若い男じゃが。頬に黒子が三つほど並んでおったろ?」


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