147:名無しNIPPER[saga]
2018/03/31(土) 08:44:13.59 ID:5sQzdRfU0
私はまだ、過去を切り捨てられていなかった。
「ッ……」
決壊寸前だった。
司会者から浴びせられる、容赦のない質問。
両親の仲違いの原因。
一人暮らしを始めた理由。
事故を起こした運転手とのその後。
掘り返されるたびに、その場で胃の内容物を戻しそうになる。
これまで培ってきた作り笑顔を、必死に盾にする。
この1時間を何とかやりきれれば。
耐え切れさえすれば、また帰れる。
過去を乗り越え、あの日々に帰れる。
640Res/352.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20