6:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 17:55:55.45 ID:+Z9Tsvl+0
P「それで?」
聖來「うん?」
P「何か話しておきたいことがあって、僕を連れ出したんじゃないんですか?」
7:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 17:57:30.83 ID:+Z9Tsvl+0
P「最近、調子良いみたいですね。トレーナーさんも褒めてましたよ」
聖來「うん、絶好調! なんだか怖くなっちゃうぐらい調子良いよ! なんでだろうね」
P「それはもちろん、これまで頑張ってきたからですよ。うちのユニットのリーダーもそうですし、モバプロ初の海外ツアーでの大役に、ブロードウェイでのショーも成功させた。傍目に見ても高いハードルをクリアしてきたからこそ、今の実力があるわけです」
8:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 17:59:05.81 ID:+Z9Tsvl+0
聖來「これまではね、ステージが決まってから本番まで、絶対に成功させてやろうって考えてたの。思いっきり踊って、思いっきり楽しんで、皆を思いっきり盛り上げようって。もちろん、それは今でも思ってるよ。最高のステージにしようって」
P「……」
聖來「最近、それだけじゃない自分を感じるんだ。観客を盛り上げようとか、楽しませようとか、そういうだけじゃなくて……なんて言えば良いんだろう。あはは、ちょっとうまく言葉にできないや。Pさん、分かる?」
9:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:01:07.19 ID:+Z9Tsvl+0
水木聖來という女性を、誰よりも近くで見てきた。
水木聖來というアイドルを、彼女自身と一緒に育ててきた。
だからこそ、分かるのだ。
10:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:02:56.23 ID:+Z9Tsvl+0
聖來「……うーん、なんかちょっと違う気がするなー」
P「あれー!? せっかくドヤ顔で良い感じのこと言ったのに! 超恥ずかしかったのに!」
聖來「あはは、ごめんごめん。けど今の解釈ちょっとかっこ良かったかも! モヤモヤの正体は分かんないけど、とりあえずそう思っておくことにするよ!」
11:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:04:10.14 ID:+Z9Tsvl+0
後日 18:30
都内 水木聖來単独ライブ会場 舞台裏
P「聖來さん、そろそろですけど、準備できてますか?」
12:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:06:11.39 ID:+Z9Tsvl+0
聖來「……この人たち皆、アタシの舞台を見に来たんだよね」
P「……はい。今日は合同ライブでも、グループ名義でもありません。客席にいる人は皆、聖來さんを見に来たんです」
聖來「――――ッ!」
13:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:07:47.74 ID:+Z9Tsvl+0
ブルリと武者震いをして瞳に強い火を灯した聖來さんを見て、内心で苦笑する。
ーーほら、やっぱり言った通りだ。
けど貴女は、そうでなくっちゃ。
14:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:08:34.70 ID:+Z9Tsvl+0
※
15:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:10:01.85 ID:+Z9Tsvl+0
パートナーに送り出され、舞台の上へと駆け上がる。数千、数万の瞳が一斉にアタシに、アタシだけに向けられる。
想像していたよりもずっと強い圧を感じた。
けど――不思議と震えはなかった。
16:名無しNIPPER
2018/03/26(月) 18:11:39.09 ID:+Z9Tsvl+0
――ねぇPさん。
アナタはアタシに、いつも期待してくれた。
日の沈んだ街路で細々と踊っていたアタシに。
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