4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/26(月) 00:46:15.62 ID:vPkjSXlF0
瞬間。
汗が背中をつたる感覚を覚えました。
子どものころ、大型ショッピングモールで親とはぐれたことを思い出しました。
みな出払っているのか、静かな事務所に
もりくぼの心臓の音だけが響いています。
どくん、どくん。どくどくどくどく…。
誰かの呼吸音が聞こえます。
もりくぼの呼吸音でした。
焦燥感、と言うものでしょうか。
おかしな感覚です。
焦がっているもりくぼを、
どこか遠くから見ているような、そんな気持ちです。
デスクの下にいるもりくぼは、透けて見えました。
透明なデスクです。
もりくぼは隠れもできないんですか…。
恥ずかしい。どこか遠くの森へ逃げてしまいたいんですけど…。
い、行かないと。でも、でも行ったって…。
チラと目をやれば、もりくぼの腕時計は
開演30分前を指していました。
メイクも終わって、本番直前の最終確認も終わっている時間です。
あうぅ…。そんな情けない声が出ました。
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